【開催レポート】長崎QDG2016 レポート ~第五回 :NaITE-SIGセッション「バグ票システム立ち上げに必要なコト」


本セッションは、NaITEのバグ票システム検討SIGによる報告セッションです。セッションはSIGメンバであり、また本ガイドの執筆者である岡内 佑樹 氏にご登壇いただきました。

「NaITEのバグ票システム検討SIG」は「NaITE(長崎IT技術者会)」と「バグ票ワーストプラクティス検討プロジェクト」による合同SIGです。両団体の知見を持ち寄り、バグ票システムを有効に活用するためにガイドを作成するなど活動しています。セッションのアブストラクトは次の通りです。

■アブストラクト
「 NaITEでは現在バグ票システム検討SIGが活動中です。本セッションではSIGでまとめた成果物「はじめてのソフトウェア開発バグ票システム ~導入実践ガイド」をベースに、企画~稼働までの基本的なプロセスやアクティビティについて解説します。」

セッションでは、バグ票システム検討SIGの紹介と成果物である「はじめてのバグ票システム ~導入実践ガイド」からバグ票システムの企画から稼働までプロセスの概要が解説されました。この様子をレポートします。

■ガイド作成に至るまで

バグ票システムについてはそのインストールや導入に関しては書籍や情報は多く存在しインストールするだけならば大きな問題も起きずに行えることが多いのですが、安易な導入は上手くいかないと説明されました。その場その場の安易な判断でバグ票システムを導入してしまうと様々な問題が起き、この問題が積み重なっていくと、最終的にはバグ票システム自体が利用されなくなってしまうこともあるとのことでした。

このためバグ票システムの導入には稼働前の検討が重要なのですが、そのような導入前に検討すべき内容について言及している文献を見かけないため、SIGメンバが持つ知見を整理しガイドとしてまとめることになったとのことです。

■バグ票システム導入のプロセス

今回作成したガイドではバグ票システムの導入プロセスを次のように定義したと解説されました。

「企画」では、システムを導入する目的、誰が、いつ、どこで、いつまで使用するのかなど導入目的を明確化する必要があります。
「設計」では、バグ票のワークフローや情報項目、必要な機能、動作環境等のインフラ等を考える必要があります。
「実装」では、設計プロセスで検討した内容をシステムに落とし込むにあたって世の中にあるバグ票システムを比較検討し、採用するシステムを確定し、そのシステムに応じて具体的な実装仕様を細かく定義する必要があります。
「テスト」では、設計の段階で検討したワークフローや情報項目などがシステムにきちんと実装されているかなどを試験する必要があります。
「稼働準備」では、システムが円滑かつ有効に運用されるようにステークホルダへの説明会やユーザに対する導入教育、マニュアルの整備などの必要があります。

■その他、バグ票システムを有効活用するために知っておいた方がよいこと

また、バグ票システムを有効活用するために知っておいた方がよいこととしてバグ票についてのワーストプラクティスについて紹介がありました。このセッションではガイドから「バグピンポン」が紹介されました。これは開発者とテスト担当者でバグ票や問い合わせが行ったり来たりして収束しない状況を指します。このような状況に陥らないようにするためにワーストプラクティスについての知識を持っておいた方がよく、詳細についてガイドを参照して欲しいとのことでした。

今回紹介された「はじめてのバグ票システム ~導入実践ガイド」はNaITE公式サイトのSIGページから参照・ダウンロード可能です。氏からはバグ票システムの導入を考えている方、現在バグ票システムを導入している方には是非活用してもらいたいと締めくくられました。

(報告:角田 俊)

スポンサーリンク




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク